ケニアでの一枚
アフリカ・ケニアでの1コマ


はじめまして。株式会社エクスペリフル代表、そして、本日からこの「えくすぺ」の編集長を務めることとなりました、永易レオ(ナガヤス レオ)と申します。

最初の編集長コラムなので、少しだけ僕自身の話をさせてください。

「人生の豊かさは、思い出の総量で決まる」

これは僕が学生時代から掲げている信念であり、そのまま会社の信念でもあります。

お金でも、立場でも、フォロワーの数でもなく、最期のときに「いい人生だった」と思えるかどうかは、心が動いた瞬間をどれだけ積み上げてきたかで決まる——僕は本気でそう思っています。

これまで個人として、群馬の古民家を宿に変えたり、シアトルで見知らぬ人たちと一斉に立ち上がってギネス世界記録に挑んだり、ケニアで野生のライオンとツーショットを撮ったりと、数々の思い出を積み重ねてきました。傍から見れば、なぜそんなことを、というものばかりです。でも全部、「これは一生の思い出になる」という一点で突き進んできました。

ギネス世界記録「腕を組んで一斉に立ち上がった最多人数」達成後

そして会社として、推理小説の登場人物になれるマーダーミステリーカフェ「探偵キャンプ」6店舗、"謎を解かないと帰れない"不思議な謎解きカフェ「はてな珈琲店」6店舗の運営や、商業施設を舞台にした周遊型謎解き宝探しの開発、イマーシブ謎解きイベントの企画運営など、数々の思い出体験を創出してきました。これらも全て、「人々の思い出総量を最大化すること」を目的として取り組んできました。

"思い出ゼロ"の浪人時代

僕がここまで体験や思い出に固執するようになったきっかけは、18歳の浪人時代にまで遡ります。
大学受験に失敗し、京都の駿台予備校で浪人することになった僕は、授業や自習室で、毎日12時間、朝から晩までひたすらに勉強をしていました。

そして1年の浪人生活を終えて大学に入学し、しばらく経った頃、ふとあることに気付きました。

「去年のことが何も思い出せない...」

物理的には、浪人時代の1年間も、きっちり1年間存在していたはずです。
しかし実感としては、人間は、自分が生きてきた時間(=人生)のことを、"思い出"という形でしか認識できません。

浪人時代の1年間は、自分の人生からすっぽり1年間の時間が消失してしまったような喪失感に襲われました。

そして、自分が50歳、60歳と、年齢を重ねたあとのことも想像してみました。
もし仮に今後、自分の浪人時代のような、"思い出ゼロ"の年月を送ったとしたら、、、歳をとったあとで、自分の人生をきっと満足に肯定できないなと。きっと大きな後悔を残すだろうなと感じました。(※あくまで僕個人の人生観です。浪人時代があったおかげで今の自分があるとも思いますし、"思い出体験"以外の価値観・人生観を否定する意図は全くありません。誰でも、自分の信じる価値観で生きれば良いと思いますし、他者の価値観に介入すべきでもされるべきでもないと考えています。)

それ以来、自分は「人生の豊かさは思い出の総量で決まる」と信じ、思い出に残るような、「自分の目で実際に見て、実際に触れて、実際に体験すること」を重視して生きてきました。

去年、あなたはいくつの思い出を語れますか?

ここで突然ですが、一つの問いを投げかけさせてください。「去年1年で、誰かに語れる思い出はいくつありますか?」と。

すらすら10個挙がる人は、おそらく多くないと思います。「えっと…」と詰まってしまう人のほうが、きっと普通です。

仕事はしていた。ごはんも食べていた。スマホもたくさん触っていた。毎日はちゃんと過ぎていったのに、振り返ると、語れる場面が驚くほど少ない。

これは怠けていたからではありません。むしろ逆で、私たちは年々、毎日を「効率よく」過ごすのが上手になっているからです。

「タイパ」の時代に、あえて遠回りをする

コスパ、タイパという言葉がすっかり日常になりました。映画は倍速で観て、動画はもっぱらショート動画、移動はできるだけ短く、思考は全てAIにおまかせ。

無駄を削ぎ落とすこと自体は、悪いことではありません。かくいう僕も日々の業務では効率を追いかけています。

でも、ひとつだけ確かなことがあります。思い出は、効率の悪いところにしか生まれない。
誰かと一緒に本気で話し合って、あれこれ悩んで、夢中になった体験。
実際に、目で見て、直接触れて、匂いを感じて、といったような、五感を使った体験。

一見、非効率で遠回りな時間そのものが、後から振り返って「あれは良かったな」と思える。手触り感のある思い出になる。

僕たちがエクスペリフルでつくっている謎解きやマーダーミステリーは、まさにその塊です。うちには「謎を解かないと帰れない」という、とんでもなく非効率な喫茶店(笑)すらあります。制限時間もなく、答えもすぐには出ない。けれど、実際の道具を駆使したり、友達とのんびり話し合ったりしながら一緒に取り組む中で、お客さんはそこで確かに数時間ぶんの「語れる思い出」を持って帰っていく。

エクスペリフルでは日々、このような"思い出体験"の機会を実際に提供し、みなさんの思い出作りのお手伝いをするべく活動しています。

このメディアで、やりたいこと

さて、体験型エンタメ総合メディア「えくすぺ」は、そんな素敵な"思い出体験"を人々に広めていくことを目的としたメディアです。

世の中には、知っているだけで毎日が少し豊かになる体験がまだまだ眠っています。そんな体験の中から、「体験型エンタメ」と呼ばれる体験を中心に、さまざまな"思い出体験"の魅力を紹介していきます。

週末をどう過ごすか、誰とどんな時間を共有するか、その選択肢を増やすこと。そして「ちょっと面倒だけど、やってみたら最高だった」と思える"遠回り"を、ひとつでも多く届けること。それがこのメディアの役割だと思っています。

効率のいい一年は、あっという間に記憶から消えていきます。けれど、ちょっと遠回りした一日は、何年経っても色褪せずに残り、あなたの人生を豊かに彩ります。

このメディアが、あなたの「語れる思い出」を一つでも増やすきっかけになれたなら、編集長として、これ以上うれしいことはありません。

みなさんの人生が、より一層、思い出に溢れたものになりますように。

「人生の豊かさは思い出の総量で決まる」

株式会社エクスペリフル 代表取締役CEO/えくすぺ編集長 永易レオ

筆者: 永易 レオ|体験王

株式会社エクスペリフルCEO/えくすぺ編集長/職業:思い出クリエイター。
「人生の豊かさは、思い出の総量で決まる」を信念に、マーダーミステリーカフェ「探偵キャンプ」や謎解きカフェ「はてな珈琲店」など体験型エンタメを全国展開中。